100円ショップ・ダイソーの人気商品ランキング

さっき、たまたまテレビを見ていたらダイソーの特集をやっていたのでメモ。

人気商品トップ5
1位 電池類(253種もある)
2位 ネクタイ(コーディネート用のまとめ買いが多いらしい)
3位 靴下(子供・紳士用が中心)
4位 皿
5位 洗剤

ダイソーは単品管理はしていません(最近は一部やっているようですが)ので、仕入状況からの把握かと思いますが、おもしろいですね。私はほとんど文房具関係しか利用しませんが。
ちなみに所変わればで、原宿店の売れ筋はずいぶん違うようです。

原宿店人気商品トップ5
1位 つけまつ毛(52種類)
2位 電池類
3位 携帯デコシール(250種以上)
4位 衣類圧縮袋
5位 マニキュア(191種類)

原宿という土地柄を考えるとわかるような気もしますが、4位の衣類圧縮袋はなぜに?
ところで明日・明後日とロジカル・シンキング(論理的思考)の講座を久々に担当しますが、ダイソーだとかユニクロニトリのような好調企業やヒット商品の分析をよく例題にします。重要なのはこの手の分析では結果論やマルチシナリオ(どちらにもあり得るシナリオ。たとえば「多角化の結果、成功した」「多角化の結果、倒産した」のような例)的な結論を出さないこと。現在の好調企業やヒット商品は、必ずそうなった「前提条件」のようなものがあります。それらの前提条件のバランスが崩れると結果は変わりますから、そこを抑えることが必要ですね。

たとえばダイソーって1日に来店客が160万人、年間で6億人だそう。そうなればこその薄利多売型のビジネスモデル(1品1円の粗利商品も結構あるようです)が成り立つ前提条件となるわけです。元々は価格の明確さ(=買物のしやすさ)と商品を絞り込んだ低価格指向によりその事業規模を広げてきたかと思いますが、現在では来店客数を常に維持・増やすためのビジネスモデルとして客単価・利益率をあえて捨て(ただし同社の客単価は実はそう低くはないとみてますが)、品揃えのバリエーションの拡張(約30000アイテムと聞いたことがあります)と欠品後の同一商品補充をしない「品揃えフレッシュネス・コントロール(鮮度管理)」とでもいうべき独特のMD(品揃え)政策と在庫管理で薄利多売型となったのだろうと考えられます。この考え方の根本には、「100円という価値のわかりやすさ」「価格を気にせずに買い物ができるという安心感」という従来の強みに加え、「その安心感は価格の妥当性の判断を超え、多少高値感があってもそこで買ってしまう(ワンストップ)」「いつも同じものがあるというより、常に違うものがある店に消費者は惹きつけられる」という市場・消費者に対する読みがあると考えられます。
ということは、原材料の高騰という昨年春頃の経済状況は同社にとっては品揃え上、危機だった可能性がありました。事実、数年前から100円以上のアイテムも増えており、バリエーション上の限界があったことをうかがわせます。現在のような不況にはそこそこ強い業態化とは思いますが、新しい魅力的な流通業態が登場したり、急激なインフレ局面の場合、同社がどう対応するのかが興味深いところですね。