企画はそんなに難しいものじゃあない:③〜もうちょっと緻密なストーリー〜

(第1回はこちら
前回、シンプルな企画の流れとは、下の図のようなものですよ、と説明しました。

ダイエット系商品の宣伝はもろにこのストーリー通りですね。ダイエット商品なら、「使用前(before)」→「商品の紹介・効能(how)」→「使用後(after)」として、よく写真なんぞで示すわけです(「ダイエット」で画像検索するとコレばっかり)。
しかしですね、私も含めてダイエットは失敗しまくっていることも多いわけです。関連商品も「ビリーズ・ブートキャンプ」だの「コアリズム」だの「バナナ」だのと手を変え品を変え登場し、みんな飛びついちゃうと。で、「痩せないじゃないか!」と怒る。
これはビリー隊長や杉本彩さんやバナナが悪い訳ではなく、上記のシナリオでいけば、「before」と「how」がミスマッチを起こしている可能性が高いと考えられます。下の図(見えにくいですが)を見てください。

これはダイエットのロジックツリー図というものですが、要は、肥満の原因には、「カロリー摂取量が多すぎる」「カロリー消費量が少なすぎる」「体内に不要蓄積物がある」という3つのパターンがあります。ここから考えれば、ビリーズ・ブートキャンプコアリズムというのは、「カロリー消費量が少ない」という原因パターンにあてはまる解決策であり、バナナはおそらく「カロリー摂取量が多い」、「体内の不要蓄積物」の原因パターンに対する対策だと思われます。
そう、企画において大事なことは、単にbefore/how/afterの3つを作るだけではなく、それらのつながりが間違っていないことが重要なのです。「因果関係」ともいいますね。
このつながりを重視して、前回のシナリオの図を少し修正してみましょう。

この「why」を加えるだけで、企画の提案が単なる思いつきではなく、説得力が増してきます。まあ当たり前の話ですが。
ちなみに「因果関係」とは、①2つの事柄に相関があること・②2つの事柄の前後関係が明確なこと・③再現性があること、という3つの要件を満たす関係ですが、それについてはまた後日書きます。
では次回はいよいよまず「現状(before)」の把握・分析について説明します。