全国規模に広がった「タイガーマスク運動」

年末、児童養護施設にランドセルを「伊達直人」名義で送った活動が全国規模に広がっています。いろんな考え方ができる現象で、既に各種ブログやツィッターでもいろんな意見が出ているので私の考察は省略しますが、次の2つのブログはぜひ読んでいただきたいなと思いますのでご紹介。

NGOゆいまーるハミングバーズ 「タイガーマスクに学ぶ -寄付の在り方-」
http://yuimar.org/2011/01/tiger-mask/

病児保育のNPO法人フローレンス代表 駒崎弘樹のblog 「タイガーマスク運動の意味するもの」
http://am6.jp/gY4HXy

上記ブログ以外の話題として、ツィッターで実際の児童養護施設の方から、次のような話があることを知りました。

家で不要になったボロボロの衣類を大量に持ってきてくる人がいる。あまりにボロボロで見栄えが悪い上、衣類はサイズや流行の問題もあり、実際はもらっても使えないことが多い。それでも施設としては「ありがとうございます」と丁重にお礼を言わないといけないし、それを恩に着せるような人も多い。

当たり前ですが、恩に着せるような言動は「偽善」でしかありませんし、見苦しいものです。また前述の2つのブログにも指摘があったように、施設側のニーズ(本当に必要なもの)をつかんだ上で行う必要もあるといえるでしょう。
ところで、このような活動もあるようです。

@conisshow: 掃除や引越しで「古本」が出てきたら寄付して下さい。その本で、親元で暮らせない子に学習のチャンスと就労のスキルを提供できます。5冊以上なら全国どこでも送料無料で集荷に伺います http://z6.co.uk/qu

あ、あとこういう指摘も(笑)

@dandadasi 「伊達直人」名義は、できればランドセル寄付限定にしてもらえるとわかりやすいですw

ツィッターでは、本なら「二宮金次郎」、スポーツ用品なら「沢村栄治」、家電なら「松下幸之助」、道(?)なら「田中角栄」名義だとかおかしな話もしてしまいましたが、前述の駒崎氏の指摘にもあったように、匿名性の寄付のあり方にマーケティング的な要素を加味する、という発想は社会変革の観点でも重要かと思います。
個人的には、このような寄付促進と継続性のために、日本の寄付税制がもっといい方向にならないかな(日本では寄付は経費にならないので課税される)ということと、寄付の重複・集中やバラツキが出ないように再分配のルールが出来ればよいなと思っています。
全国の見知らぬ「伊達直人」に乾杯。余談ながら私の名前も伊達直人が由来です。


おまけ。思わずぐっとくるニュースです。

タイガー現象:小6の2女児がお菓子を持参…埼玉・草加

 12日午後4時ごろ、2人の女児が埼玉県草加市役所1階の受付を訪れ、「児童養護施設にプレゼントしたい」と申し出た。職員が尋ねたところ、2人は草加市内の小学6年の友だち同士。「タイガーマスク」を報じるテレビを見て、お小遣いを出し合いノートとお菓子を持ってきたという。2人は帽子を深くかぶり、恥ずかしそうに数分で立ち去った。

 2人が持参した2個の赤い紙袋のうち、一つはノート4冊とポップコーン、別の袋には袋入り綿菓子とスナック菓子2袋が入っていた。添えられた手紙に「ちょっとした物ですが、受け取って下さい。正義のヒーロー タイガーマスク まゆ毛っちょ&伊達萌菜人」と書かれていた。(毎日新聞http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110113k0000m040122000c.html

さらに追加。児童養護施設の資金調達を支援しているNPOのブログより。こういう現場の現実を知ることは重要ですし、今注目されているからこそ知ってもらいたいものです。

Taejunomics 「拝啓 全国のタイガーマスク様」
http://stjofonekorea.blog6.fc2.com/blog-entry-1443.html