参院選終了と「ブレる発言」の分析

参院選が終わりましたが、ねじれ現象復活ということで、これからの連立枠組みが気になるところです。今回は結局民主党の自滅みたいな面が少なからずありましたが…。その要因の一つとして、「発言がブレる」というのがあります。今回はこれについてのツィートをhttps://twitter.com/naoto_a

民主党を支持しているわけではないんですが、「ブレる」ってそんなにダメ?状況が変わったら意見が変わるのは当然と思うんですが。思うに「朝令暮改」には許される一定の前提条件があるような気がする。最近興味のあるトピック。
・ダイヤモンド誌だったと思うけれど(注:プレジデントでした。下記リンク参照)、鳩山前首相の思考は「微分」的思考。過去は無視し、現時点での情報をもとに将来予測から思考する。傍から見てるとブレてる訳だけれども、本人はそんなつもりはない、というか無意味な批判だと思っているそうな。

PRESIDENT (プレジデント) 2010年 7/19号 [雑誌]

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・んで、鳩山前首相の致命傷となった沖縄基地問題は、微分思考ではダメで、歴史を踏まえた積分思考でなければならなかった、というのが佐藤優氏の分析。
・うん。そういう分析だった。鳩山さんの大学時代の専攻は意思決定論ともつながっていると。RT @dandadasi あくまで政治も理系的に処理ってことですかねw
・沖縄問題の本質は安保問題ではなく、差別問題。だからその解決は歴史を踏まえた積分思考じゃないとダメ、と佐藤氏。RT @dandadasi そういう意味でなら、普天間問題に元々解はなかったのでは?それを無理に求めること自体、破滅的。
・でもまあ、政治問題だからねぇ。佐藤優氏の思想背景からいえば、「だからインテリジェンスが必要だ」という話にしたいのかなと。RT @dandadasi うん、そこまで言うと逆に、あんたタブーにゃ踏み込めないだろうって言ってるだけかって?今の政治家の仕事を超越してる感。
国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫)

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交渉術

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・ブレなくて失敗したら「状況変化を読み取れず、自身の思想に固執した」、ブレなくて成功したら「ポリシーを貫いた結果が花開いた」、ブレて失敗したら「言を左右にし、状況に流された」、ブレて成功したら「状況変化に対応し、柔軟な思考で乗り切った」。もうね、アホじゃないかと。結果論なら何でも言える。
・ビジネス系ジャーナリズムもこの手の結果論的評論が多く、何の参考にもならないものが多かったり。流通でいえばダイエーヤオハン伊勢丹を持ちあげてきた提灯ライターの方は今何を思う。。。
・いや、それがそうでもないんですよ。要は「ブレなくて済んだ」要件が揃ってた、ということなんでしょうが、それが何なのかがわからない。RT @kuremai 「ブレなくて成功した」事例は少ない気がしますが、「ブレて失敗した」ら目も当てられないかと…。
・「ブレる」「ブレない」の話としては、事業の多角化と本業一本みたいな話が一番わかりやすいかな。
・事業多角化と「選択と集中」って、ある意味ブレた意思決定ですよね。で、成功するところと資源分散や縮小化になっちゃうところがある。それってなぜなんだ?と。
・ひらたくいえば状況判断能力、なんでしょうけどね。今、本当に非常に興味を持っているテーマです。RT @kuremai 「ぶれなくて済んだ要件」…解明出来れば政治に限らず、日常生活にも役に立ちそうな…。
・ですね。「総合」能力なんだろうけれど、おっしゃるように要素分解するとどうなるんだろうと。RT @kuremai 「状況判断能力」…“目先の出来事”だけではなく、過去の事例、経験、知識等々を絡めた上で瞬時に判断する事が求められますね。


朝令暮改マネジメント」というのは私の造語ですが、これって「あり」だと思うし、「必要」だとも思っています。しかし、言を左右にするトップというのは確かに信頼できない感じがするし、そこに意思決定の合理性をどう持たせるか、価値観・感情とのバランスをどう取るか、が「朝令暮改マネジメント」の成立する要件だと考えています。

ところで、一つ非常にうなずいてしまったツィートをご紹介。

・@hirokinose 増税なら「庶民いじめ」、減税なら「現実離れ」、お金あげたら「バラマキ」、災害救助したら「パフォーマンス」。中国と仲良くしたら「国賊」。米国と仲良くしたら「犬」…民主党自民党も思ってるだろうな「結局どうしたらお前ら俺達に票入れてくるの?」