アップルのスティーヴ・ジョブスの健康悪化

アップル・コンピュータの総帥、スティーヴ・ジョブスが原因不明の病気で痩せ続けているとのこと。確かに写真を見るとびっくり。

(c)ロイター
で、その病気はホルモン系だとわかったそうで、治療可能だそうです。そのニュースが流れるや同社の株価が4%上昇したそうで。なにしろジョブスといえばカリスマ経営者で、アップルを創設しながら一時は同社を追い出され、その後復帰してiPodiPhoneと成功させてきた「マーケティングの天才」。株価上昇もむべなるかなといったところですか。
ところで私は昨年からiPhoneユーザーになったので、同社の戦略やジョブスの経営手腕について興味があったのでいくつか本を読んでいました。

読んだのは上記2冊ですが、これがなかなか面白い。はっきりいって人格的には最低な人のような気もしますが、これだけ仕事ができる人だと「嫌いだけれど尊敬はできる」かもしれません。共同創業者のプログラマーをクビにしながら、一方で人材や職場環境への投資を惜しまないあたりにこの人の冷徹さと凄味がわかるのですが、経営者のイメージとしてはウォルト・ディズニージャック・ウェルチに近いものを感じます。ディズニーは途中から自分で絵を描かずに自分の夢に没頭して周囲を振り回しながらも成功していきますし、ウェルチは「ニュートロン・ジャック」(中性子爆弾のように建物だけを残して人を消す、つまりレイオフをガンガンやるコストカッター)と言われる一方で、GE社員のための教育機関を作るというような、一見矛盾することを同時進行でやらかすようなところがジョブスと似てますね。少なくとも日本の経営者にはまずいないタイプですし、日本からはそういう人は出ないような気がします。
思うに、人数的には「人間性も悪く仕事もできない」>「人間性が良く仕事もできる」>「人間性は良いが仕事はできない」>「人間性は悪いが仕事はできる」といった感じが経験的にします。何の裏付けもありませんが。ここから何の根拠もない強引な論理をつけると、「人間性と仕事の能力は相関がそこそこ高い(相関関係)」→「人間性が良いと、仕事の能力にリンクしてくる(因果関係)」のではないかと。人間性が良いとサポートしてくれる人が出てくるし、情報が自然に入ってくるようになる。それに努力が加わるわけですから、やはり仕事の能力も上がってくるのではないかと。ゆえにジョブスのような「人間性は悪いが仕事はできる」タイプは稀有な存在だし、そこが天才である所以なのでしょう…などととりとめもなく考えてしまいました。
以上、勝手な妄想から「我々凡人は人間性を磨き、仕事の能力を高める努力をしましょうね」ということになります。我がまま三昧で楽をして生きていこうとして成功するなんてことは新自由主義の拡大解釈による間違った労働観でさーね。