身だしなみはどーでもいいのか?

今日は長いです(いつもか)。
きっかけはある介護・医療系のある掲示板にて(無断掲載しています。削除して欲しい方はお手数ですがご連絡ください)。

私の仕事場は結構緩くて派手な髪型が出来ました。普通は駄目なんだろうけど…|ω・`)
皆さんはどうですか?
派手な髪型出来ますか?

というトピックでした。私の経験上、施設によって髪型をはじめとする身だしなみについてはずいぶん違うようには思ってましたが…。

色はあまり派手にはしてませんがアフロで仕事してました。
特にうちの職場はこれはだめとかはないようです。
若いうちだけしかできないのでやりたい髪型はやってます。

サービス業だから…と思いますが、私は金髪でも何でも良いと思います。
介護に一生懸命であれば良いかと。でも、利用者様やそのご家族、上司に注意されたら直したほうが良いかも…?

私あんまり若くないんですけど
今スパイラルとアフロの間くらいですが
色は明るい茶色で
うちは特に決まりはないけどみんな ある程度自制してますね
ちなみにGHです

…とまあ、大方わりに自由なようです。私自身は「安全・安心・衛生」の観点から、またご家族の目線からみた場合に、やはりドレスコードはあるべきだと主張したのですが、コテンパンにやられました(笑)。
上の何人かの主張にもあるように、要は「介護の中身が重要で外見は関係ない」というロジックが多かったのですが、私が経営者だったらとっととそんなことをいう職員は解雇してしまいそうです。しかし、これなかなか難しい問題を孕んでいます。
「外見関係なし」のロジックは確かに一理ある部分もあります。わかりやすく医師を例にとれば、


「清潔そうだが腕のない医師」と「清潔に見えないが腕のある医師」、自分の命がかかっているときにどっちに身を任せるか。


答えは言うまでもないわけですが、要は図式にすると、


外見○・能力○ > 外見×・能力○ > 外見○・能力× > 外見×・能力×


になりますね。外見はきちんとしているにこしたことはありませんが、確かに能力との相関はないといえばない。しかし医療だろうと介護だろうと「受けてみないとその良さはわからない」。だったら最初から施設や自分への評価に不利になるような身だしなみはしないに越したことはないと思うのです。
ただ、自由とはいえ、「程度の問題」「常識レベルで」ということを指摘されている方も多くいらっしゃいました。しかし要はここが問題。言葉づかいにしてもそうなんですが、近頃少し髪の毛を染めたくらいでは違和感はそうないですよね。つまりマナーというのも時代による相対的な部分が多いのでしょう。気にしない人が多数派になれば、スタンダードになってしまうと。それでも過渡期には私のように不愉快に感じる人間もいるわけで、そこでその「レベル」をどこに設定するのかという問題が出てきます。今はそのレベル設定が施設側で決められているわけでもなく、いわば自己規制的なものになっている。「誰からも注意されたことがない」からといって、その自己規制レベルが適正かどうかはわかりません。
そういう点でも、やはり私は施設としてドレスコードをきちんと整備すべきだと考えます。


ところが、こんな話もあります。

最初は上司も
【髪は染めるな】
【髭ははやすな】
と、言ってたのですが...
奇抜なスタイル?は以外と、うちの利用者さんには受けがいいらしい(笑)
ある認知症の方も、普段はあまり動かれないのに、茶髪とかゴブガリとか見ると、手伸ばしてさわりまくり

名前を覚えてくれない高齢者も
【茶髪の兄ちゃん】
【くるくる(パーマ)の姉ちゃん】
【髭はえたおっちゃん】
(無精髭はNG)
【ばっちり化粧したおばちゃん】...
などなど、職員の顔とスタイルしっかり覚えてるし(笑)

変な話、黒髪・真面目な職員よりも茶髪・はじけた?職員の方が人気があるかも

私は現在【GH】に勤務です
私は化粧っけもなく、服装も地味な方ですが、メイクぱっちり、仕事着(私服)も明るい色の職員もいます(*^^*)
全員、同じ髪型・服装・メイクよりも、いろいろあった方が【家庭的】な感じがしていいなぁって思ってます(*^^*)

そのコントラストを見て、利用者さんが話題にされたり、触発されて
「自分も次の買い物行く日に、新しい服買おうかなぁ〜」
っと外出意欲がわいたり...と、うちの現場はプラス面が大きいようです(笑)

「どっちの髪型がいい?」
「今日のメイクはいつもと違うやん(笑)」
「このTシャツ似合う?」
って、利用者さんと盛り上がったりして。
何歳になっても女性は、こういう話題好きですから。
ちなみに異動前にいた
【特養】【身障】では、時々【お化粧ボランティア】さんがきてくれて、利用者さんにメイク(*^^*)
皆さん、綺麗になって大変喜ばれてました(*^^*)
ちなみに、化粧あんまりしない私よりも、メイクばっちりな職員が利用者さんにおすすめした方が、盛り上がってました(((^_^;)

【特養】も【身障】も施設とはいえ、利用者さんにとっては【生活の場】、少しでも家庭的な雰囲気を味わってもらえたら、いいなぁと思います(*^^*)

私も上記のような状況があることを知っています。全部が全部納得できるわけではないのですが、いわば身だしなみの自由さがケアとして機能している部分があることの証左なんですね。
つまりはこういうことではないかと。病院と施設を比較した場合、圧倒的に施設の方が緩く、病院の方が厳しい。これはどっちが良いというわけではなくて、医療⇔身体介護⇔生活介護という機能の違いだと。安全・衛生と生活感の比重の違いともいえます。そう考えると一概に「身だしなみはこうあるべき」というわけにはいかないのかもしれません。


でもね、でもね、往生際が悪いと言われそうですが、やはり釈然としないものは残るのです。派手な髪型にはやはりデメリットはある。しかし清楚な髪型にデメリットがあるかといえば、たぶんないのですよ。以下は故本田宗一郎氏のエピソードですが、自由にもメリットがあるとはいえ、度を過ぎれば問題である、あるいはレベルの設定が必要であることは事実なので、参考まで。

ホンダがベンリィSS50というスポーツバイクを開発するときのこと、エアクリーナーと呼ばれる部品を見えないようにするなど当時としては斬新なデザインが当初考えられたそうですが、本田宗一郎さんは激怒したそうです。デザイナーはエアクリーナーがフレームに内蔵されていることを説明したそうなんですが、本田さんはあっさり切って捨てました。

「人が乗ったら折れる。オートバイというのは、人を乗せて時速一〇〇キロで走るんだ」
「いえ、構造計算したら折れないと設計が言っていました」
「馬鹿野郎!見て折れそうなやつは人が買わねぇんだ」
さらに念押しで

「『人間が見て不安に感じるもの』を作っちゃいけないんだ!」

本田宗一郎に一番叱られた男の本田語録―人生に「自分の哲学を持つ人」になれ!

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もうひとつ、ある雑誌で見たヨドバシカメラの社長さんの言葉(かなり意訳。うろおぼえです)。

私は世の中に一人でも茶髪や金髪に不快感を持つ方がいるうちは、絶対に店員として採用しません。これは私の好み云々ではなく、商売人としての心の在り方です。

マナー講師の方は、身だしなみを「清潔・機能性・周囲との調和」を原則としていると指導します。私もそのとおりだと思いますが、残念ながら掲示板では彼らを説得できません。また彼らの言い分も(納得はしませんが)理解できます。みなさんはどう思われますか?