日航、ホテル売却は吉?

日本航空(JAL)が、東京・お台場にある「ホテル日航東京」の建物保有会社の全株式を、米投資ファンドエートス・キャピタルに3月末までに売却する方針であることが31日、明らかになった。2月6日に発表する新経営計画の柱の一つで、売却益は二百数十億円になる見通し。ホテルの運営はJALホテルズが継続する。(毎日新聞

日航は現在経営再建中で、資金調達の必要性もあったのでしょう。
大前研一氏は、つい先日「航空会社はホテルを持つ必要はない」と主張されていました。航空会社がホテルを経営するのはサービスの垂直統合化を狙ったものでしょうが、大前氏によれば、現在の飛行機利用客は、飛行機利用と宿泊をリンクで考えてはいないし、これによる制約(セット販売)は顧客にとっても旅行代理店にとってもメリットはない、さらにホテル稼働率を上げるために乗務員がホテルを利用するため、結局ホテルとしてのグレードが落ちてしまっている、とのことです。
実際、欧米の航空会社は既にホテルを本体から切り離し、自社で保有するパターンはほとんどないのだとか。なるほどー。
となると、今回の日航の売却は、いわゆる縮小均衡のリストラではないということになります。もともと赤字事業でもあったホテルですし、そういう意味では前向きといえるのかもしれません。さーて、あとは株式市場がどういう反応を示すかですね。楽しみです。