アサーションをもっと巧く使えないものか
「アサーション」とは英語でのもともとの意味は「断言」「主張」という訳をしますが、コミュニケーション技術としては「さわやかな自己主張」とよく説明されます。要は人間関係を円滑にし、相手の主張を尊重しながら自分の主張を通すためのコミュニケーションをいいます。
相手(顧客)の言い分を一方的に聞き、自己犠牲的な行動を強いられることの多い教師・看護師・介護職などがバーンアウト(燃え尽き症候群)にならないようにするための技法として日本で紹介されてきました。
教師のためのアサーション (アサーション・トレーニング講座)
- 作者: 園田雅代,沢崎俊之,中釜洋子
- 出版社/メーカー: 金子書房
- 発売日: 2002/10/01
- メディア: 単行本
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マンガ「ドラえもん」の登場人物である、のび太・ジャイアン・しずかの3人のセリフを見てください。
のび太「ドラえもん、助けてよ、ぼく…」「わかったよ、やるよ、やればいいんでしょ…」
ジャイアン「明日はオレのリサイタルだからな。来いよ。来ないとぶんなぐるぞ」「いいおもちゃ持ってるな、オレに貸せよ」
しずか「ごめんなさい、ピアノのおけいこがあるから今日は遊べないの。明日なら大丈夫よ」「ケーキを作ったの。もしよかったら一緒に食べましょう」
のび太の自己主張は自分を抑えて相手の言い分ばかりを尊重するもの。これではストレスがたまり、そのうち爆発するかもしれません。
ジャイアンは論外ですね。相手の言い分をまったく認めないので、彼は大人になったら社会から爪弾きに遭うでしょう。
その点、しずかちゃんは実に上手い。相手の気持ちを尊重しつつ、自分の主張をきっちり通しています。相手もいやな気分にはならないでしょう。これがアサーションである、と説明されています。
アサーションはアメリカでカウンセリング技法として開発されたため、前述のように日本でも看護や介護の技法として注目を集めてきましたが、ここにきてマネジメント、つまりビジネス・コミュニケーションとしても採り入れられるようになりました。これはとてもいいことだと思います。これまでも「交渉術」「営業トーク」「プレゼンテーション」としてアサーション的な要素は取り入れられてきた部分はありましたが、一般的なビジネス・コミュニケーションとして比較的コンパクトにまとめられた本が出ています。ただもう少しリアルな事例があった方が理解しやすいところですが…。それはたぶん「年間250日以上実施」しているという研修の中でのノウハウなのでしょう。
- 作者: 大串亜由美
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2006/06/09
- メディア: 単行本
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