ペコちゃんの災難

不二家の期限切れ牛乳使用問題は、予想以上の広がりを見せています。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/fujiya/
17日の日経新聞によれば、この問題の影響はかなり大きいようです。

  • 年間約20億円販売しているイオンが販売中止
  • セブン&アイ・ホールディングス、ローソン、ダイエー西友でも菓子全30品目撤去
  • ケーキなど洋菓子の販売休止期間は20日を見込み、店舗800店で15億円の減収、FC店への休業補償で3億円必要

不二家は前期の連結最終損益が赤字で、稼ぎ頭が卸し売りだけに、これが長引くと本当に経営危機になりかねません。加えて売り上げの大部分を占めるであろうバレンタインデーが控えていることを考えると、これは現実のシナリオになりそうです。
今日のフジテレビの報道では、工場に勤めるパート職員による内部告発が流れ(落ちたものは3秒以内ならセーフという「3秒ルール」の存在を暴露。このルールは某外食産業で都市伝説的にいわれたことがある)、さらに組織ぐるみでの「指示」があったことなど、マイナスイメージに事欠かないニュースが続いています。

一つどうしても腑に落ちないのが、不二家はISO取っていたんですよね。取得より維持が難しいといわれるISOでどうやってごまかしていたのか?

不二家の社名は創業者の「藤」井、日本一の「富士山」、「世の中に二つとない(不二)」商品を出すことをかけたものだそうです。その通り、天然ソーダ水・シュークリーム・ソフトクリームは同社が日本で最初に販売し、その名を高めました。また同社の大ヒット商品「ミルキー」は、母親が子供に安心して与えることができるお菓子ということで開発されたものだそうです。そのミルキーのキャラクターが「ペコちゃん」。ペコちゃんが再び微笑む日は来るのでしょうか。

思い出されるのは2000年の雪印事件。あの事件の教訓が活かされなかったのは本当に残念です。マーケティングや事業戦略ならともかくも、こと品質問題に関しては歴史から学ぶことができると思うのですが。やはり「組織」というものは不可解な謎だらけの力が働くのでしょうか。