震災から一年


写真は昨年の新聞です。あれから早くも1年が経ちました。いろいろな思いが交錯するところですが、ビジネスの観点からもいろいろなことを示唆してきました。

サプライチェーンの分散:自動車部品やタバコ製造で見られたように、不況時にサプライヤーを絞り込んだ結果、製造不能に陥りました。その後、国を超えたサプライチェーンの再構築の必要性(リスク分散)が必要になりました。

・リスク&クライシス・マネジメントの見直し:今回は特に想定を超えた津波の被害があり、企業として様々なリスク管理をどのレベルまで高めるべきか、費用と発生確率の関係性をどう設計するかが問われています。また東京電力や政府に代表されるように、その後のクライシス・マネジメントのあり方も再考を促されることになりました。

・情報管理のあり方:震災直後、ツィッターなどのSNSが避難情報や行方不明者との連絡などで大きな力を発揮しました。その一方で、某石油会社の被災に関するデマや、その後の原発による放射能被害に関する風評被害といった負の側面が見られました。情報のコントロールのあり方だけでなく、前述のリスク、クライシス・マネジメント同様、ガバナンス(企業統治)のあり方も問われています。

もちろん、政府はそれ以上にさまざまな課題を突き付けられているわけですが、阪神・淡路大震災の教訓が今ひとつ活かされていない(特に復興事業において)現実がある中、再度冷静になって国民一人一人の問題としても考えていく必要があろうかと思います。