景気動向の分析

経済には疎い私ですが、今実際のところ景気はどうなのよ?ということで、日経新聞で景気指標をみてみました。
日経新聞では毎週月曜日に過去4年分の景気指標が掲載されます。これを使ってみます。

国内指標では「製品在庫指数」というのをみてみます。要はこれが100を超えていれば在庫過剰ということで、製造業は在庫調整に入ります。すると、「稼働率指数」や「所定外労働時間」にも影響を与えます。

製品在庫指数は5月の速報値で143.1。今年の2月がピーク(158.5)だったので、その時期に比べばですが、いまだ高水準にあります。3月頃には自動車メーカーを中心に在庫調整が終わったような報道もありましたが、どうやら生産調整がうまいこと進んでいるのはごく一部の製造業みたい。ちなみに稼働率指数は4月のデータですが67.2。まだまだですね。

では次にその影響ということで、「所定外労働時間」→「有効求人倍率」→「完全失業率でみます。所定外労働時間はひらたくいえば残業。景気が良い時は増える傾向にありますが…5月は前年比でマイナス19.4。昨年8月以来ずっと前年を割り込んでいます。そのせいか有効求人倍率は5月は過去最悪の0.44。つまり、求人数÷求職者数ですから、半分以上の人は職にあぶれている状態(職を選ばずとも)。完全失業率はといえば、これまた5.2%とITバブル崩壊時レベルのひどい状態です。雇用面は非常に厳しい状況で、おそらくは年末までは大幅な回復は見込めないみたい。

企業収益の面をみてみましょう。まずは「機械受注」。日本はまだまだ製造業中心なので、この指標が景気の先行指標として重視されます。4月のデータでマイナス32.8。これは前年比なんですが、07・08年もマイナス。相対的にも絶対的にも製造業は厳しい状況といえます。国内市場においても「新設住宅着工件数」は5月で75.8万戸。前年比でマイナス30.8%。「新車販売台数」は6月の速報値で38.2万台、前年比でマイナス14.5%、例のハイブリッドカー補助金が効いているのか少し上向きに。ちなみにこの住宅・新車の指標は結構重要で、建設と自動車は俗に「富士山産業」と呼ばれるように多くの業種や下請けがからむ裾野の広い産業なためです。

消費面でみると、「消費支出」は5月に0.3とマイナスから脱出。「小売業販売額」は前年比マイナス2.8、「全国百貨店売上高」は前年比マイナス12.3、ということで苦戦。低価格化路線の影響か客単価がかなり下がっていることがうかがえます。今日の新聞ではイオンが最終赤字20億円ということですが、売上は3%ダウンだそう。小売業関連の指標も国民の景気感覚を示す重要指標なので要チェック。

以上ざーっと観ましたが、一時期の最悪状況は抜け出たとはいえ、停滞感は否めないなというところでしょうか。ちなみに商品相場を見てみると、銅・亜鉛・鉛・すず・アルミニウムなどのレアメタル系がまたあがってきています。ということはハイテク系製品の需要が上がってきているのかなという感じもしますが、実は日本はゲーム機を除けばかなり弱くなっています。今日の1面は日本の携帯メーカーが海外市場へ再挑戦(過去は撤退、日本の携帯があまりに特殊で世界標準から離れたスペックなため「ガラバゴス化」と呼ばれてました)ということで、そのあたりも商品相場に影響しているのかもしれませんが、成功するかどうかは未知数ですね。

以上、超素人による経済分析でした(苦笑)。