分冊本のビジネスモデル

「分冊本」ってご存知ですか? 有名どころではデアゴスティーニ(ディエゴスティーニではないんですね)http://www.deagostini.co.jp/あたりですが、要はシリーズもので百科事典的な本を刊行しているアレでず。デアゴスティーニの場合、本社はイタリア(!・ヨーロッパには昔からこういうビジネスが脈々と続いているようです)だそうで、日本法人がCMでも盛んに本の宣伝をしています。あれって創刊号が非常に安く、豪華な付録が毎回付いてきますが、どうやって儲けているのかなと常々不思議に思っておりました。
すると、マンガ「こちら葛飾区亀有公園前派出所(通称:亀有)」の最新巻(164巻)でこの分冊本がネタになったおりました。

こちら葛飾区亀有公園前派出所 164巻

こちら葛飾区亀有公園前派出所 164巻

マンガによれば、このようなモデルのようです。

・創刊号が価格を下げて惹きつけて部数を稼ぎ、2号からは通常部数にして価格を上げる
・最終号まで買わなくても、分冊本の「売上曲線」というのがあり、全冊合計で採算が合うように計算されている
・売上曲線によれば10号まで買う顧客は大抵最後まで買う
・長いシリーズの場合、読者の飽きが来るころに目玉記事や付録をつける
・どうも映画会社や各方面とのタイアップによるものもあり、費用は比較的安く上がるものもあるようだ

つまり基本的には薄利多売のモデルなわけで、このあたりは通信教育の教材販売と似て非なる部分があるようです。
デメリットとしては、企画が外れて通常の売上曲線以下の状態に陥った場合でも、最後までシリーズを完結させなくてはならない(続けないと信用問題になるため)という点。しかしあれだけいろんな出版社から多種多様な分冊が出ていることからみると、採算は取れているのでしょう。考えてみればコアなマニアというものはどこにでもいるわけですし、一般の専門雑誌と違って期間限定でスタッフがプロジェクト的にやればいいのですから、思ったほど返本も含めたビジネスリスクというのは少ないのでしょうね。
で、デアゴスティーニのサイトを何気なく見てましたが、以下のタイトルが個人的には欲しいなぁと。
落語百選→http://www.de-club.net/rgd/
刑事コロンボhttp://www.de-club.net/kcd/
ピーター・ラビット→http://www.de-club.net/prc/
世界名作劇場http://www.de-club.net/smd/