オバマ大統領就任に思う

アメリカ初の黒人大統領が誕生しました。私個人としても感慨深いものがあります。というのも大学時代、黒人問題を研究していたからです。
大学生当時、ほぼ同時期に次の2つの事件・現象がありました。

1.ロスアンジェルスで黒人による暴動が発生
 →詳細は「ロス暴動」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B9%E6%9A%B4%E5%8B%95
2.童話「ちびくろサンボ」の一斉絶版問題
 →詳細は「ちびくろサンボhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A1%E3%81%B3%E3%81%8F%E3%82%8D%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%9C
 →「黒人差別をなくす会http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E4%BA%BA%E5%B7%AE%E5%88%A5%E3%82%92%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%81%99%E4%BC%9A

前者は一見落ち着いているように見えた人種問題が一気に噴き出した例で、こんなことがアメリカで実際に起こっているのかと相当なショックを受けたものです。後者は「言葉狩り」や「被害者の視線」といういろいろなことを考えさせられた一例です。

当時読んでいた本はこんなのでした。

アメリカ黒人解放史―奴隷時代から黒人革命まで

アメリカ黒人解放史―奴隷時代から黒人革命まで

新版 概説アメリカ史―ニューワールドの夢と現実 (有斐閣選書)

新版 概説アメリカ史―ニューワールドの夢と現実 (有斐閣選書)

日本人の黒人観―問題は「ちびくろサンボ」だけではない

日本人の黒人観―問題は「ちびくろサンボ」だけではない

『ちびくろサンボ』絶版を考える

『ちびくろサンボ』絶版を考える

さすがに古くて画像がありゃしない(苦笑)。奴隷船から黒人解放運動の歴史まで一通り勉強しましたね。キング牧師マルコムXなんていう有名人は長い解放運動のごく一部であって、その先人たちの活動をいろいろと知ることができ、非常に印象に残っています。またアファーマティヴ・アクション(差別是正措置)やそれによる影響や反動といった歴史を知ることができたのも有益でした。
当時のアメリカの音楽ではたとえばヒップホップがほぼメインストリームになった時代で、パブリック・エナミーのような政治思想を強烈にもったグループなどが登場した時期でもありました。
It Takes a Nation of Millions to Hold Us Back

It Takes a Nation of Millions to Hold Us Back

ちなみにオバマ大統領は、黒人といってもかなり特殊な例で、いわゆるアフリカン・アメリカンとはいいにくいタイプ。ゆえに白人(WASP)もそれほど抵抗がなかったとも言われていますし、反動的な政治をオバマ氏がすることもないと思います。
いずれにせよ、久しぶりの民主党政権でかつ史上初の黒人大統領。そして未曾有の経済危機とイラクパキスタン問題の中での船出。どのような政策をとるのか非常に注目されますね。