よくもまあ臆面もなく書けるなぁ。

ネットサーフィンしていて、あるコンサルタントだか研修講師だかのブログをたまたま見ました(個人的な付き合いのない知らない人です)。
これがまあ…なんと言いますか…。

「自己愛の塊」

のようなブログでして、どこそこの研修で受講者から感謝の言葉を言われた!とか、受講者に動機づけができてこちらも力をもらった!とか、まあそういうことばかりをツラツラ書いておられるわけですよ。「人生は素晴らしい」「人間っていいな」みたいな江原さんのようなスピリチュアル系?か相田みつをさんかと見まがうばかりの美辞麗句が並びます。

まあブログも立派な宣伝ツールですから(私も一応そのつもりで書いてますがw)、そういう活用をされている方にどうこう言うつもりはないのですが、よく恥ずかしげもなくここまで書けるなぁと。なんというか、そういうのを読むと胡散臭いことこの上ないと私は思うのですが、一部の熱心な信者らしき人が称賛コメントをたくさん入れているんですよ。すごいですね。

自分も含めてコンサルタントや講師なんて、謙遜でもなんでもなく、そんな立派な人種ではないと思いますけどね。もちろん私もプロとしてプライドはありますし、経営に関しては世間一般よりは知識もあります。しかし経営は学問的には数多くの自然科学・社会科学分野の理論体系とつながりますし、まともに総合的に考えれば考えるほど、またリアルな実践を考えると、「のほほん」と自画自賛する余裕なんてないと思うんですが、それは私が凡人なせいでしょうか。

一応私はビジネススクール修士課程)で経営学を修めました。それでも卒業するや否や、理屈ではないリアルな経営の状況や情報の非対称性とでもいうべきビジネス世界の動きに惑わされました。知識は知識、それをいかに現実の世界に適用可能な自分自身のフレームワークとして作っていくか、本当に焦りを感じています。

コンサルタントや講師で悟りの境地とでもいうような、自分の能力を絶対視できるような人(正確にいえば周囲もそう思える人)って大前研一氏など、数えるほどくらいしかいないのではないでしょうか。悪いけれど私も含めた凡百の若造連中があたかも悟ったかのようなことを語るのは「傲慢」としか感じません。

企業参謀 (講談社文庫)

企業参謀 (講談社文庫)

いや、何だかストレスぷんぷんの文章になってしまいましたが、これは正直自戒も込めて書いています。まずそもそも、研修講師だのコンサルタントだのは「資格」がなくてできる専門職という、実に世間的には不思議かついい加減な職業であることを自覚せねばならないと私は思います。だからこそ、自分の能力や仕事の成果を客観視しつつ「研鑽」を続けないといけないのです。ブログで自己愛を書き連ねてそれに耽るような姿は私は美意識としてイヤですね。