マルコム・マクラーレン死去(一部加筆)

マルコム・マクラーレンが死去。ニューヨーク・ドールズ発掘、セックス・ピストルズのマネジャーとして名を馳せ、自らも「バッファロー・ギャルズ」「ダブル・ダッチ」「マダム・バタフライ」などのヒットを飛ばす。
・それでもマルコムは多才というよりも、やはり「山師」のイメージが強い。セックス・ピストルズが彼のイメージ戦略であちこち騒動を起こし、A&M、EMIから契約解除。最後に決まったヴァージンにせよ、その交渉ではヴァージン総帥リチャード・ブランソンを戸惑わせたそう。

New York Dolls

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Never Mind the Bollocks Here's the Sex Pistols

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ヴァージン―僕は世界を変えていく

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  • 作者: リチャードブランソン,Richard Branson,植山周一郎
  • 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
  • 発売日: 2003/04/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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・その後は再びアダム&ジ・アンツを手掛け、逃げられる(のちにアダムはイギリスで超のつくブレイクを果たすが)。
Kings of the Wild Frontier (Hk) (Reis)

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・自らの音楽活動は82年から。いち早くヒップホップに目を向けたり、オペラとロックを融合させようとする先進性はさすがだが、実際のアウトプットの音楽自体はどこかキワモノ感があるあたり、やはりアウトサイダー体質だったんでしょうね。
Duck Rock

Duck Rock

・上記の「ダック・ロック」は代表作。「ワルツ・ダーリン」もいいらしいけれども未聴。
・マルコムの資質の本質はやはりプランナー、策略家だったと思うのですが、現在のネット社会ではそのあたりの作為性は見透かされやすいという点で、あの時代(70年代末)の産物ともいえそう。
・エイベックスがGIRL NEXT DOOR、ICONIQのマーケティング戦略で見事に失敗したあたり、マルコム型のマーケ戦略の延長上ではエンターテイメント業界は無理があるのかも。
・やはりアーティスト本人の意思による作為性の方が、広告代理店やレコード会社、マネジメント主導のマーケ戦略よりもまだマシなのかも。
モーニング娘。型(オリジナルは南米のアイドルグループ・メヌードや、アメリカのニュー・エディション)のメンバーチェンジ、増員による生き残り戦略も限界のようだし、現在人気のAKB48にしてもメインストリームにはなれないでしょう。
New Edition

New Edition

・これは彼女たちの資質の問題ではなく、まわりの大人の問題。90・2000年代を通過した音楽シーンではマスを捉えるには「仕掛け」の在り方を根本的に変えないといけないのでしょう。
・タイミングもあるかな。メンバー主導と思われる増員にしてもEXILEは成功し、DA PUMPがダメに見えるのはそこに至る経緯が大きい。
・まあこれだけ音楽ジャンルやファン層が細分化されている現在、ポピュラー音楽市場で圧倒的なマスを制する、ブレイクするというのはもう本当に至難な業なのかも。ビートルズマイケル・ジャクソンはもう出てくる土壌がなくなったのでしょう。