ハズレ本のご紹介

暑くてイライラするので、最近買ったハズレ本をご紹介w

ダイヤモンドはビジネス系雑誌でも好きな方なので、ほぼ毎週買っていますが、この号はいけません。カリスマ・コンサルの「あの」神田昌典氏の「全脳思考」とやらの紹介が第一特集。神田氏は昔は好きでよく読んでましたが、最近の本はちょっと宗教書か哲学書のようで、よくあるカルト系に近づきつつあったので読んでません。で、この特集なんですが、要はダイヤモンドから出た神田氏の著作の宣伝特集みたいなもの。そのエッセンスが特集化されていたわけですが、これがどうにもこうにもひどいフレームワーク(と呼べるほどのものでもない)で、こんなくだらん理論ならマインドマップで十分といった感じです。やはり神田氏は元のマーケッター稼業に戻るべきでは?この本は好きだったけどなぁ。たとえアメリカからの借り物のフレームワークだとしても、かなり目に鱗でしたが。好きだった方だけに何だか残念。
ちなみにこのダイヤモンドの週は、他にも金融恐慌を予言したという「ブラック・スワン」(これもダイヤモンド刊)の紹介がやたら目につくなど、これまで良質な特集をやっていた同社とは思えないくらい今回は宣伝臭が露骨です。
断る力 (文春新書)

断る力 (文春新書)

さて、その神田氏との関係も深い今をときめく勝間和代氏のベストセラー作の一つ。勝間氏については一躍その名を広めた初期作も読んでいますが、内容的には若いサラリーマン向けといった感じで、10年前に知っておきたかった、という感想です。内容的には悪くはないと思います。
で、私には縁のない内容かなということで以後は避けてきましたが、この「断る力」だけはちょっと興味があったので買いました。内容はというより主旨は納得。でも具体論や論理の構成が甘い面があって、結論としては「使えない」一冊となってしまいました。勝間氏にはぜひ再挑戦してもらって、この本をリファインしたものを出してもらいたいものです。
神田氏にせよ勝間氏にせよ、それなりに実際に成果を出してきたという点で、「Mr.粗製乱造」中谷彰宏などより遥かに立派ですが、やはりブーム的に著作物を乱発しだすと中身が怪しくなってきます。が、それでもそれなりに売れているようなので、ビジネス本のマーケターとしてはやはり優秀だ(皮肉ではなく)と思います。同じような内容でしかもだんだんレベルダウンしているロジシン系のN氏や、ネーミングに凝る割に中身は薄い「すごい」系のS氏よりは全然OK、かな?