アイデアの作り方に関する書籍
いわゆる「発想法」に関する本は山ほどあります。ちなみに原典とも言われるのがこの本。
- 作者: ジェームス W.ヤング,竹内均,今井茂雄
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 1988/04/08
- メディア: 単行本
- 購入: 91人 クリック: 1,126回
- この商品を含むブログ (377件) を見る
この本の本文はわずか60ページ弱で、巻末の竹内均氏の解説(これが秀逸なので、ここを先に読むと理解がしやすい)と訳者あとがきが40ページほどあります。
1975年に出版された本書が、このように非常に薄い文量であるにもかかわらず、古典となっているのは、「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ」である、と喝破した点にあります。「企画の神様」と呼ばれたジョン・ワナメーカーも、「Success = Other People's Brain + Other People's Money」(成功とは、他人の脳と金を使って組み合わせること)と同様の意味のことを指摘しています。ヤングはそのためには特に特殊な知識や技術は必要なく、「事実と事実の間の関係性を探ろうとする心の習性がアイデア作成には最も大切なもの」と指摘しています。
これらの指摘は、以後のあまたの発想法の原点となっています。ヤングによれば、アイデアが作られる全過程・方法は以下の形でまとめられます。
以後、これをベースにブレーン・ストーミング→KJ法、マンダラチャート(マンダラート)、SCAMPERなどのよく知られた手法が出てくるわけですが、最近これらの発想法をほぼ網羅した(と思われる)大著が出ました。
- 作者: マイケル・マハルコ,加藤昌治 ナビゲート,加藤昌治,齊藤勇 監訳,小沢奈美恵,塩谷幸子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2012/02/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 4人 クリック: 28回
- この商品を含むブログを見る
マイケル・マハルコという人は、米軍在籍時にNATOの情報専門家チームを率い、ドイツの研究所で独創的思考法を国際的に収集・研究して、その思考法をNATOの実際の問題解決にあてはめて行った人。後にCIAでも思考法の使い方を指導したそうです。ヤングや後述の加藤昌治氏、「オズボーンのチェックリスト」で知られるオズボーンのように、発想法に関しては広告代理店出身者がその仕事の特徴からか多く、マハルコのような経歴は珍しいといえます。
- 作者: マイケルマハルコ,Michael Michalko,斎藤勇,塩谷幸子,小沢奈美恵
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 1997/02
- メディア: 単行本
- クリック: 15回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
- 毎日考える
- 狙いをつける
- 細部を記憶する
- 慣習を打ち破る
- 本を読む
- 内容分析をする
- ブレイン・バンクを作る
- トラベル・ジャンキーになる
- すばやくメモを取る
- メモを活用する
- アイデア・ログを取る
ちなみに私が発想法のいろんなバリエーションを知ったのは加藤昌治氏の「考具」という本から。コンパクトにまとまった良作なので、こちらの本で興味を持った方はマハルコもぜひ。加藤氏は今回のマハルコの新著でナビゲーターとしてかかわっています。
- 作者: 加藤昌治
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2003/04/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 37人 クリック: 305回
- この商品を含むブログ (291件) を見る
- 作者: ドナルド・C・ゴース,G.M.ワインバーグ,木村泉
- 出版社/メーカー: 共立出版
- 発売日: 1987/10/25
- メディア: 単行本
- 購入: 53人 クリック: 509回
- この商品を含むブログ (188件) を見る
- 作者: 川瀬武志
- 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
- 発売日: 2007/02/01
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 25回
- この商品を含むブログ (1件) を見る